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冬帽 平家軍の巻

 投稿者:  投稿日:2016年 2月19日(金)14時08分19秒
  六吟歌仙「冬帽 平家軍の巻」
  昭+苑を+志+四童+令+なむ

   冬帽の人は医者なり村の道      吉村昭
    分教場の垣の山茶花         なむ
   あの世まで巫山戯究めておちやらけて  苑を
    かんかんのうをらくだが踊る      志
   夜もすがら月の砂漠のアルバイト    四童
    莚あふれて棗干さるる         令
ウ  生薬として猿酒をちと盗む        む
    人妻なれば逢ふこともがな       を
   恋文の墨跡淡くかすれゐて        志
    弘法つひに筆を下ろさず        童
   錫杖をつけばそこより水の湧き      令
    みんなで歌ふいい日旅立ち       む
   さうだ夏休みだよ月まで行かう      を
    またデパートで買ふ甲虫        志
   納豆に生まれて糸を引いてをり      童
    誰もいつしかフィクサーと呼ぶ     令
   維新成り春高楼の花の宴         む
    春風に乗り海を渡らむ         を
ナオ 卒業生答辞代表小野妹子         志
    光と影の襖一枚            童
   念ずれば山頂に雪積り初む        令
    神のまにまにパティシエの指      む
   甘やかなその菓子の名はペ・ド・ノンヌ   を
    恋芽生えたる尼のためいき       志
   海馬から扁桃体からわなないて      童
    不倫をやめることができない      令
   好感度一位の座まで捨てるほど      む
    これは燃えるがそれは燃えない     を
   月煌々崩れしままの登り窯        志
    踏み荒らしては横を向く鹿       童
ナウ 秋冷の句会の果てぬ日吉館        令
    八一の手帖和辻のノオト        む
   この道はいつか来た道帰りなん      を
    プラットホームに鶯の声        志
   富士塚を覆ひあまねく飛花落花      童
    空の全きうつろ暮れかぬ        令

起首:2015年12月23日(水)07時33分41秒
満尾:2016年 2月 7日(日)16時24分25秒
 
 

冬帽 源氏軍の巻

 投稿者:  投稿日:2016年 2月19日(金)14時07分0秒
  六吟歌仙「冬帽 源氏軍の巻」
  昭+篠+月犬+槇+一朴+なむ

   冬帽の人は医者なり村の道   吉村昭
    ぽつりと残る朱の木守柿    なむ
   灯台へ沖の汽笛の聞こえ来て    篠
    古墳の丘でつかふ弁当     月犬
   割り箸のヒコーキが飛ぶ月の夜   槇
    たれ知らぬまに燕かへりぬ   一朴
ウ  木の葉かつ散る鉱泉に連泊し    む
    罪の鎖骨をなぞる指先      篠
   儀式めく暗い鏡にふたりして    犬
    ダイコンミズマシと暗記する   槇
   寝言にも九九となへをる子ぞほまれ 朴
    八波むと志といふ地縛霊     む
   トンネルを抜けて涼しき月に逢ふ  篠
    戒厳令の帝都は暑し       犬
   タクシーの深夜ラジオで聴いた曲  槇
    馬かたまづは縄を湿らせ     朴
   ひとひらの落花を肩に帰るらむ   む
    蕨餅買ふバックパッカー     篠
ナオ 霞へと消えゆく影はボウイかも   犬
    神も仏も両性具有        槇
   東塔に飛天かたれる絹の道     朴
    行方不明の火星探査機      む
   噂では路地の空家に雪女郎     篠
    狼さへも踏むを恐れる      犬
   ロムルスとレムスのとこで待合はせ 槇
    ペアのパジャマはダイヤのエース 朴
   初夜にして組んずほぐれつ6と9  む
    制圧されし安田講堂       篠
   月光は物理学者の机上にも     犬
    落ちる林檎をただ見てるだけ   槇
ナウ 定年の朝みの虫を吹いてみる    朴
    禅智内供の揺れる長鼻      む
   芸人は二足の草鞋履きこなし    篠
    風船売つて旅を重ねる      犬
   シャンソニエからメトロまで花明り 槇
    鮎汲みし友そゞろ偲ばる     朴

起首:2015年12月23日(水)07時05分1秒
満尾:2016年 2月 7日(日)16時21分51秒
 

栴檀 越の巻

 投稿者:  投稿日:2016年 2月19日(金)13時56分35秒
編集済
  六吟龍之介歌仙「栴檀 越の巻」
  我鬼+月犬+一朴+苑を+四童+なむ

   栴檀の実に風聞くや石だたみ    我鬼
    影なく浮かぶ薄羽かげろふ    なむ
   月光の浜辺に波は打ち寄せて    月犬
    子へのたよりは越後つゝいし   一朴
   看板の歯が欠けてゐる加納歯科   苑を
    夾竹桃はめづらしき白      四童
ウ  曝しゐる蕗谷高畠夢二など      む
    袂のなかに艶書しのばせ      犬
   道行のはて知る利根の渡しもり    朴
    太郎と呼ぶとついてくる犬     を
   横長の画面に合はせ前傾す       童
    学芸員の語彙の乏しさ       む
   かつて巴里二区に見上げし寒き月   犬
    雪みち千々に狼藉のあと      朴
   なにごとの不思議なき日の水たまり  を
    帽子屋と飲む茶碗一杯       童
   チェス盤の桝目に花は散りやまず   む
    御地神様に祈る豊穣        犬
ナオ 鯛網を終へてむすびのうまかりき   朴
    時代遅れの居酒屋の椅子      を
   目にとまる角栄像に由来あり     童
    全路線にてワンマンバス化     む
   アスファルト灼けて轍の黒々と    犬
    雷雲を背に山の端ちかし      朴
   とある日の分教場に転校生      を
    遠巻きに聴く熱情ソナタ      童
   名は何と申すか脱いで近う寄れ    む
    背中で吠えてる唐獅子もゐて    犬
   月もゐて最終列車見おくりぬ     朴
    冬待ちかぬるフジタの壁画     を
ナウ 平素より仮装といはれ万妖祭     童
    つけボクロから毛が生える朝    む
   我が家ではコロッケだけをおかずとし 犬
    ころも干す間に春風邪ぞひく    朴
   都にも鄙にも花の散り初めて     を
    百段行けば霞む半島        童

起首:2015年10月20日(火)16時34分49秒
満尾:2015年12月 1日(火)15時11分31秒
 

栴檀 呉の巻

 投稿者:  投稿日:2016年 2月19日(金)13時55分35秒
編集済
  六吟龍之介歌仙「栴檀 呉の巻」
  我鬼+槇+篠+志+令+なむ

   栴檀の実に風聞くや石だたみ   我鬼
    古城を染める秋の夕焼     なむ
   月白にドラキュラの牙光るらん   槇
    こはごは覗く姉の手鏡      篠
   サザエさんの版権つひに手放さず  志
    みんなで寄りて鮨をかこみて   令
ウ  帰省子の直ぐにとろける標準語   む
    大好きだすけ付き合つてけろ   槇
   白昼のキス堂々とバスの中     篠
    死角のひそむ町の其処此処    志
   トカレフの密売人が立ち止る    令
    踏むことならぬ絶滅危惧種    む
   寒月にナウいヤングと呟きて    槇
    着てはもらへぬとつくりセーター 篠
   初雪がクラーク像の髭濡らす    志
    少年の漕ぐ銀の自転車      令
   ETと風とぼくらと花の雲     む
    撮影所では鳥のさかりて     槇
ナオ 大船の観音像に春愁ふ       篠
    日本丸に九鬼の水軍       志
   そのかみは海人部もしくは百姓で  令
    マイナンバーは簡易書留     む
   宝くじ売り場大西日に浮かび    槇
    大言壮語しつつ瓜揉む      篠
   路地裏にひそと住み古る鍼灸師   志
    佳人訪ねて来たる週末      令
   指先を身八つ口より差し入れて   む
    特技の欄に盲牌と書き      槇
   放浪の路上を照らす望の月     篠
    濁醪に酔ひ眠る安宿       志
ナウ 着信のレゲエ却つてうすら寒    令
    編み込みヘアの四人兄弟     む
   父不比等死んで叉倉もひつそりと  槇
    天袋から踏絵見つかり      篠
     考へる人の項に花の冷     志
    酸性雨にも耐へて永き日     令

起首:2015年10月20日(火)16時16分22秒
満尾:2015年12月19日(土)17時21分29秒
 

渋柿 乙類の巻

 投稿者:  投稿日:2016年 2月19日(金)13時44分38秒
  六吟寅彦歌仙「渋柿 乙類の巻」
  寅彦+篠+一朴+槇+月犬+なむ

   柿渋しあはうと鳴いて鴉去る   寺田寅彦
    株暴落の秋の夕暮         なむ
   上海のランドマークに月満ちて     篠
    トラツク野郎カセツト替へる    一朴
   志ん生の廓噺を巻き戻し        槇
    桶に鎮まる鯰一匹         月犬
ウ  髭面の兵士がひとり青野へと      む
    後ろから抱く親友の妻        篠
   かそけきは絹の声音とえりの香     朴
    豆腐二丁を賽の目に切り       槇
   カウンター越しのおかまのお説教    犬
    血液型で決まる運命         む
   月冴ゆるベートーヴェンの胸像に    篠
    小びとをのせて雪帽子舞ふ      朴
   ささやかな針を頼みに鬼退治      槇
    テレビに映る噴火の孤島       犬
   さなきだに命の果ての花明り      む
    われに返れば春服の街        篠
ナオ ちかごろは仔猫いつぱし留守がちで   朴
    家族だけ知る鍵の隠し場       槇
   糠床の天地返しを日課とし       犬
    山健組に伝はる手口         む
   ドアの開くたび風鈴の鳴るカフェに   篠
    銀のうつはで白あやめ楚々      朴
   堀切の土手を三年B組と        槇
    ダブルデートはVANを着てゆく   犬
   銀齢のスワップサイト検索中      む
    古書渉猟に時を忘れて        篠
   菓子折を提げて月下の歩道橋      朴
    甘いものよりどぶろくが欲し     槇
ナウ 白馬の消えたる山の夕紅葉       犬
    治承寿永の盛衰の果て        む
   末裔のしるしとしての千里眼      篠
    余寒の朝へ園児踏みだす       朴
   オルガンのやさしい音と花の庭     槇
    蝶の群舞の彼方海あり        犬

起首:2015年 8月31日(月)07時36分44秒
満尾:2015年10月15日(木)10時01分14秒
 

渋柿 甲類の巻

 投稿者:  投稿日:2016年 2月19日(金)13時37分38秒
  六吟寅彦歌仙「渋柿 甲類の巻」
  寅彦+令+四童+苑を+志+なむ

   柿渋しあはうと鳴いて鴉去る    寺田寅彦
    裏の蕎麦屋の秋の夕暮        なむ
   からつぽのアクアリウムに月差して    令
    ふと思ひ出す前世のこと       四童
   猫としてクレオパトラの膝の上     苑を
    湯帷子には淡きペディキュア      志
ウ  ご神燈を提げて格子の戸を閉める     む
    逢はで思へとおみくじにあり      令
   耳許を今宵も責める黒電話        童
    俺だよ俺と息子を騙る         を
   ハコテンとなる役満を振り込んで     志
    四倍速で歌へ君が代          む
   裏声の夜回りひとり月見上ぐ       令
    息しろきこと褌のごとし        童
   ふきだしのだしのあたりが河馬ですよ   を
    早稲田の杜に逍遥の像         志
   戌亥から辰巳へ送る花便り        む
    海市の借りは未だ返さず        令
ナオ 女房を七人いれて百千鳥         童
    歌合とて参内をせむ          を
   押入に父祖代々の螺鈿壺         志
    片面だけのプルーフ硬貨        む
   名にしおふ泉の底へ願ひ込め       令
    女神に貰ふ金の蠅打          童
   ルーブルの迷路に変なおぢさんが     を
    Finに近付く冬の日の恋       志
   きみの名を描いては消して雪箒      む
    雫したたり島の生まるる        令
   水平にあきつ群れ飛ぶ昼の月       童
    舞茸飯を盛る曲げわつぱ        を
ナウ 通販で玩具の手錠買ひ夜寒        志
    ロミオ洋品店のマネキン        む
   液化するピアノを弾いてゐるといふ    令
    春のみづより濡れてゐる夢       童
   生と死のあはひを花のふゞくらむ     を
    五高健児の踊る献節          志

起首:2015年 8月30日(日)09時43分9秒
満尾:2015年10月 8日(木)09時59分54秒
 

教師 龍軍の巻

 投稿者:  投稿日:2016年 2月19日(金)13時28分30秒
  六吟漱石歌仙「教師・龍軍の巻」
  漱石+苑を+一朴+令+志+なむ

   能もなき教師とならんあら涼し   漱石
    夏日影ゆく高き下駄音      なむ
   狛犬にかまやつひろし似のをりて  苑を
    屋根屋のくせも瓦師承知     一朴
   見積りを早めに出して月の宴     令
    墨染の袖ひらり秋風        志
ウ  紅葉かつ散る足曳の山送り      む
    垂り尾の夜をふたりかも寝む    を
   きぬぎぬのアド交換は朝マック    朴
    どこも同じでどこか異なる     令
   電線に雀が百羽止まつてた      志
    息止め自摸る九連宝燈       む
   仁義なき無法地帯に月凍つる     を
    議事堂まへに雪ダルマゐて     朴
   No Warと高く掲げるプラカード  令
    引き分け続くガンバ大阪      志
   美しき黒豹もゐる花の道       む
    菜飯田楽差入れをする       を
ナオ 塀ごしにシヤボン玉みて明けかぞへ  朴
    英語露西亜語いまだ中ほど     令
   横横を時速100キロにてとばす   志
    事故つて死んだボクサーの霊    む
   夏痩せもせぬ体質のうらめしく    を
    糸とんぼすらいとふくよかに    朴
   文明を捨てて小国寡民なる      令
    恋文横丁名のみ残りて       志
   椅子の背の高き同伴喫茶とは     む
    てんやわんやの老人ホーム     を
   瀬音なくたゞ三日月の砕けをり    朴
    裂けて散るのは杣の実石榴     令
ナウ 秋乾く恐れ入谷の鬼子母神      志
    すべてが舌の足らぬ答弁      む
   打ち寄せる波に曳かれてゆくことも  を
    鍬鎌鋤も通販で買ふ        朴
   畑から戻ればすぐに花守に      令
    暮春の天にあそぶ浮雲       志

起首:2015年 7月 2日(木)15時58分9秒
満尾:2015年 8月15日(土)16時34分29秒
 

教師 虎軍の巻

 投稿者:  投稿日:2016年 2月19日(金)13時18分15秒
  六吟漱石歌仙「教師 虎軍の巻」
  漱石+槇+月犬+篠+四童+なむ

   能もなき教師とならんあら涼し    漱石
    ひたと車窓を叩く夕立       なむ
   駅弁の醤油容器を溜め込みて      槇
    通帳を手にさみしき心       月犬
   皓々と易者の上の望の月        篠
    ほどけはじめる蕣の紺       四童
ウ  千仞の谷を霧雨吹き閉ぢよ       む
    勝負パンツでいざ箱根の湯      槇
   まぐはひの果てて虎の尾踏む男     犬
    間諜として上るタラップ       篠
   スッチーの採用試験に半裸歩行     童
    端から順に配る目薬         む
   寒月の泪橋からバスに乗り       槇
    雪の重さに傾く地軸         犬
   北極が中心にある国連旗        篠
    みづからを焼く人造人間       童
   西行の花のもとにて我生きむ      む
    ぶらんこ漕いで黒澤ごつこ      槇
ナオ 朧夜のシャンパンの泡儚くて      犬
    持ち金すべてダークホースに     篠
   老婆心半で洗濯してゐたる       童
    噂の端をつまむ割箸         む
   七十五日の命の糸蚯蚓         槇
    余生過ごすに釣堀の椅子       犬
   ちよいとパリまでモナリザに会ひにゆく 篠
    Eと結べば愛の結晶         童
   質量に加速がついて腹上死       む
    阿弥陀如来は紫雲に乗つて      槇
   祈りにも似て月光を浴びてをり     犬
    シャワーのあとの桃が楽しみ     篠
ナウ 長き夜の装丁かくも毛深くて      童
    平積するはポップ立てるは      む
   毎日が閉店セールといふお店      槇
    ぼーつと点いたままの春灯      犬
   徹夜して花ちらほらと降る街へ     篠
    巣燕見上げ釣の十円         童

起首:2015年 7月 2日(木)15時58分9秒
満尾:2015年 8月 5日(水)12時20分26秒
 

百閒歌仙 紅組の巻

 投稿者:  投稿日:2016年 2月19日(金)00時44分37秒
編集済
  六吟歌仙「百閒歌仙 紅組の巻」
  百閒+令+夜景+月犬+苑を+なむ

   犬声の人語に似たる暑さ哉      内田百閒
    ひとかたまりの百鬼めまとひ      なむ
   タクシーを降りればビルは消えてゐて    令
    指紋捜査に乗り出す男         夜景
   月光の砂丘をなでる風があり       月犬
    スタバの椅子にもみぢ一葉       苑を
ウ  清方の口絵を胸に秋袷           む
    手首つかめばあまりか細く        令
   雲よりも淡く抱きあふ老いらくの      景
    西の空より呼ぶ声聞こゆ         犬
   R2-D2フィギュア贖ひて           を
    列の後尾を示す高札           む
   サーカスの大テントへと月凍つる      令
    無声映画に雪の砲弾           景
   銀箔も剥がれ句集は百均に         犬
    なんでもあつてなにもない場所      を
   一樹のみ照らされてゐる花の庭       む
    あちらこちらに染卵置く         令
ナオ 羅針盤たづさへおぼろ夜の海へ       景
    魔法陣とかケンケンパとか        犬
   ひとんちの茶の間で飯をもう一杯      を
    家庭教師の靴下に穴           む
   薔薇の歌よりも真赤な薔薇の束       令
    夏の峠にオキーフの佇つ         景
   雨風にさらされし骨画布に置き       犬
    はらりひらりと誘ふ振袖         を
   指先を身八つ口より柔肌へ         む
    給水塔の見える坂道           令
   オベリスク略奪されて月面に        景
    蜻蛉群れ飛ぶ方の改札          犬
ナウ 雅なる時代祭の牛を曳く          を
    笙篳篥を試す楽人            む
   天蓋を呼び寄せてゐる呼吸法        令
    丹田で春水を沸かして          景
   振り向けば三寸先に花があり        犬
    もういいかいと夏は隣に         を

起首:2015年 5月26日(火)02時32分30秒
満尾:2015年 6月28日(日)07時30分26秒
 

百閒歌仙 白組の巻

 投稿者:  投稿日:2016年 2月19日(金)00時38分50秒
  六吟歌仙「百閒歌仙 白組の巻」
  百閒+篠+四童+槇+志+なむ

   犬声の人語に似たる暑さ哉    内田百閒
    舐めれば細るアイスキャンデー   なむ
   積年の柱の傷を数へゐて        篠
    しづかに寄せる二トントラック   四童
   月待ちのカーラジオから清志郎     槇
    野分の中に過ごす父の忌       志
ウ  放蕩の果ては秋尽く甲府にて      む
    逢瀬のたびのワイン三昧       篠
   栓といふ栓を抜かれて恋うつろ     童
    排水口のうづまきを見よ       槇
   売りに出す「鳴門秘帖」の初版本    志
    香具師の家系は公儀隠密       む
   風説を怖れぬ人に月冴ゆる       篠
    伝声管を「降雪開始!」       童
   むざむざと先頭打者にホームラン    槇
    百円傘がまた捨ててある       志
   白骨の御文へと花明りして       む
    東も西も鳥交る声          篠
ナオ 眠らずにみんな頑張る汐干狩      童
    時差ぼけに効くハーブはいかが    槇
   地球の裏の異母兄弟に手紙書く     志
    酔ひては歌ふさらばラバウル     む
   夜濯ぎの竿に同期のユニフォーム    篠
    ハローキティの虫よけバリア     童
   もしもしと呼ばれ振り返ると無人    槇
    とぼとぼ帰る後朝の道        志
   大樹の根こそまぐはひの形して     む
    地下に匿ふテロルの残党       篠
   三日月を凶器としたる石舞台      童
    考古学者の肩にとんぼう       槇
ナウ 論述式だけの試験を終え秋思      志
    曰く不可解巖頭之感         む
   ふとタイムスリップめいた眩暈あり   篠
    鳴く亀もゐる火星の運河       童
   ぎやうさんに花屑を乗せ高瀬舟     槇
    佐保姫未だ留まりし里        志

起首:2015年 5月26日(火)02時29分46秒
満尾:2015年 6月29日(月)15時28分45秒
 

啄木忌 七曜の巻

 投稿者:  投稿日:2016年 2月19日(金)00時31分39秒
  六吟歌仙「啄木忌 七曜の巻」
  修司+槇+月犬+令+天気+なむ

   便所より青空見えて啄木忌   寺山修司
    少年院の竹の秋風        なむ
   てふてふの坊主頭におりたちて    槇
    荒野に響く第四楽章       月犬
   清談に盃を重ねる月の客       令
    虫売の名は中畑といふ      天気
ウ  塁間に案山子置くとふ策もなし    む
    スカートひらりカンザスに舞ふ   槇
   青い眼のおかまも並ぶ朝日楼     犬
    一番早い汽車の切符を       令
   秒針を見つめ続けて五十年      気
    化天のうちを比ぶれば夢      む
   ジェノサイドして満たされて月涼し  槇
    汗を拭ひて磨く仏壇        犬
   錺師の打出だしたる対称性      令
    鏡の国へ往きて還らず       気
   お蔵らの花は錯乱子泣くらむ     む
    貧窮ぼやく軒につばくら      槇
ナオ 赤き旗翻しいざメーデーへ      犬
    知らぬあひだに解ける靴ひも    令
   あとがない理論物理の再テスト    気
    師僧に貰ふ紙と鉛筆        む
   雪の日の検尿カップに名を書きて   槇
    酒も呑まずにおでん食ふ人     犬
   どこからか走り出てくるのはチビ太  令
    はづみをつけて差し出す指輪    気
   ソロモンの王妃は肌を熱くして    む
    レバノン杉の永き永き世      槇
   月光に故郷の森は蒼く濡れ      犬
    鉱脈を掘り初茸を狩り       令
ナウ 霧のなか作者不詳の土饅頭      気
    まづドローンを飛ばし様子見    む
   UFOに誘拐される昼日中      槇
    仔猫に付けし名はフシアハセ    犬
   瞑目のうちにも花の降りしきる    令
    春七曜の窓の開け閉て       気


起首:2015年 3月29日(日)12時14分23秒
満尾:2015年 5月11日(月)07時46分46秒
 

啄木忌 カルボキシル基の巻

 投稿者:  投稿日:2016年 2月19日(金)00時25分52秒
編集済
  六吟歌仙「啄木忌 カルボキシル基の巻」
  修司+苑を+志+篠+四童+なむ

   便所より青空見えて啄木忌   寺山修司
    少しふるへしその巣立鳥     なむ
   駿河では老いも若きも茶摘みして  苑を
    菅の笠には紅のあご紐       志
   行くあてを定めぬ旅の望の月     篠
    皿の欠けたる邯鄲の宿      四童
ウ  針置けば父のハイファイから枯葉   む
    襟立てるとき別れの予感      を
   今宵またあの街角に佇ちて待つ    志
    電話ボックス探しに探し      篠
   包帯の膝を抱へて泣きました     童
    医師払底の野戦病院        む
   密林の鰐の親子に月涼し       を
    古びしままに置く竹夫人      志
   いま欲しいのはラテン語の翻訳機   篠
    ゆゆしき「すべて真実なこと」   童
   彼の訃報以後より花は散るばかり   む
    四月一日のデイリースポーツ    を
ナオ 春の汗拭ふ私にバカの壁       志
    耳のかたちの貝を拾ひて      篠
   炒めれば海の響きのがうがうと    童
    知る人ぞ知る賄ひの飯       む
   単線の終着駅に着けば雪       を
    二進も三進も行かず着ぶくれ    志
   算盤でマンボのリズム刻みつつ    篠
    異類婚姻譚の幕開き        童
   南総の姫と心の後背位        む
    ドミノ倒しで作る未来図      を
   繊月へ宇宙戦艦ヤマト発つ      志
    砲台跡に色鳥の来て        篠
ナウ 行く秋のかうべを垂れる老夫婦    童
    ミレーの模写を包む風呂敷     む
   この町に鑑定団がやつてくる     を
    対立候補のいない選挙区      志
   わけもなく万歳をする花の昼     篠
    春ふつふつとカルボキシル基    童

起首:2015年 3月29日(日)12時14分23秒
満尾:2015年 5月 2日(土)08時05分55秒
 

時計の巻

 投稿者:  投稿日:2016年 2月19日(金)00時17分28秒
  七吟歌仙「時計の巻」
  篠+令+月犬+槇+志+天気+なむ

   立春を刻み初めたる時計かな     篠
    ダリの画集に挟む芽柳      なむ
   雛壇に入りてしばしを過ごすらむ   令
    三代続く古着あきなひ      月犬
   満月におばあが茹でし豚の足     槇
    赤ら顔にて稲扱をする       志
ウ  紅葉山一個師団の潜みたる     天気
    追へば離るる君の唇        篠
   だめよだめだめとはどつちにもとれる む
    くくくと笑ふ平賀源内       令
   名乗れども牢名主から蔑まれ     犬
    桃の缶詰差し入れてくれ      槇
   夏の月空をどんぶらどんぶらこ    志
    夜濯ぎの掌をこぼれて落ちて    気
   家を出る朝のドラマに泣いてから   篠
    車内仕上げの厚き隈取り      む
   暫といふ声のする花の宴       令
    乱舞終はらぬ黄蝶白蝶       犬
ナオ 春雨に濡れるボンバルディア機の背  槇
    手荷物一つ持ちて亡命       志
   二ツ目がおなじ枕で十年も      気
    芸の肥やしに馬券を買うて     篠
   除雪車に沿ふ会葬の最後尾      む
    手袋のまま触る携帯        令
   軍鳩に託す暗号解読書        犬
    目配せをしてふたりで消える    槇
   めらめらと燃ゆる薩摩のおごじょにて 志
    ガス検針の朝の足音        気
   タクシーを降り月光の大団地     篠
    夜食にプラス一合の酒       む
ナウ 開拓の満州のこと冷まじく      令
    あの日埋もれしアルバム探す    犬
   眈々と獲物を狙ふパパラッチ     槇
    都会の隅の甘い生活        志
   駄菓子屋の敷居を濡らす花の雨    気
    風船のいろ夢をかたどる      令

起首:2015年 2月 3日(火)09時31分49秒
満尾:2015年 3月21日(土)13時34分49秒
 

葱汁の巻

 投稿者:  投稿日:2016年 2月19日(金)00時10分49秒
  五吟歌仙「葱汁の巻」
  槇+志+苑を+令+なむ

   竜泉や椀に葱汁たつぷりと     槇
    耳袋して並ぶ大門       なむ
   失敗はしませんと言ふ女医がゐて  志
    架線橋には強風の吹き     苑を
   月光とスーツケースを引く音と   令
    がらがらぽんと九月の人事    槇
ウ  先輩は寮の風呂場の竈馬      む
    逢ひに行く日の心濡らして    志
   来ぬ人へ忍ばせてゐる九寸五分   を
    二寸は足らぬこきりこの竹    令
   ムーミンの割と小柄であるらしく  槇
    岸田今日子を名乗る奪衣婆    む
   渡し舟ぐらりと揺れて月涼し    志
    昭和歌謡のこぽれる葭簀     を
   飛車と角抜きの相手に勝てもせず  令
    人をおちよくるコンピューターの 槇
   設定を変へて画面は落花の譜    む
    ズームアップをすれば鳥の巣   志
ナオ 黄金週間の卵焼きの黄       を
    乗物券で入る劇場        令
   やや気障にハムレットなど引用し  槇
    臭い臭いと嫌はれる日々     む
   枯畑に野壺のひとつ残りゐて    志
    話に落ちをつければ霙る     を
   葬斂を出すに長屋はおほわらは   令
    物干し台で揺れるブルマー    槇
   教へ子の痴態を動画にて流し    む
    米原駅に途中下車する      志
   捨てられた子犬のやうに昼の月   を
    添水鳴るまで石に屈みぬ     令
ナウ ふくらはぎ下から揉んで夜なべして 槇
    シュラフを畳む幽谷の小屋    む
   不老不死の妙薬として般若湯    志
    瞬きもせぬ仏蘭西人形      を
   花満ちて空の真青の深くなる    令
    都をどりの幕は上がりぬ     志

起首:2014年12月19日(金)15時12分21秒
満尾:2015年 1月30日(金)11時50分11秒
 

蓑虫の巻

 投稿者:  投稿日:2016年 2月18日(木)23時53分4秒
  五吟歌仙「蓑虫の巻」
  天気+令+ぽぽな+苑を+なむ

   蓑虫の内より見遣る此世かな       天気
    脇往還に深まりて秋          なむ
   川波のきれいな絵図に月差して       令
    琵琶を離るる琵琶の響きよ      ぽぽな
   画数を数へてその度に違ふ        苑を
    土蜘蛛の子を指に這はせて        気
ウ  名将の剣に映ゆる大西日          む
    稲村ケ崎までの散歩を          令
   人の目のあるときは手をつながずに     な
    ダブルベッドがあるだけの部屋      を
   平積みの全国廃墟ガイド〔上〕       気
    鼻行類からファンレター来る       む
   寒月の鳴るとき兜率天を出で        令
    悴んでゐるミトコンドリア        な
   別れては寄りて烏合の党ばかり       を
    昭和の景に電線あまた          気
   二階には木遣流るる花の窓         む
    つちふる真昼自転車を漕ぐ        令
ナオ ゴールしたとたんに春の夢さめて      な
    遠く厩舎の見ゆる草原          を
   いまどきのwwwといふ表記        気
    小金馬猫八貞鳳の顔           む
   箱庭のテレビの前の子供たち        令
    心理療法士の声すずし          な
   パッパッパッパパゲーノパパパパパパゲーナ を
    鳥の羽より軽いキッスを         気
   交したり見つめあつたりもぢもぢと     む
    族長たちに決断のとき          令
   生け贄の最後の盃に月揺れて        な
    逆転狙ふアイテム「キノコ」       を
ナウ 秋冷の鏡のなかを髭剃機          気
    僻地勤務を充電と呼ぶ          む
   遠島の佐渡には多き能舞台         令
    団体様のご到着です           な
   ひらくほど笑ひさざめく花の里        を
    鮊子煮ゆる家々の鍋           令

起首:2014年10月29日(水)15時26分16秒
満尾:2014年12月18日(木)15時21分42秒
 

鳩吹の巻

 投稿者:  投稿日:2014年12月 9日(火)10時33分48秒
  五吟歌仙「鳩吹の巻」
  月犬+篠+槇+志+なむ

   父に似た顔して鳩を吹きにけり   月犬
    木の実時雨の図書館の窓     なむ
   トランプが月の廊下に散らばつて   篠
    奇術師が出るときの音楽      槇
   森深く消えしおほをそどり一羽    志
    行水桶の箍締め直す        犬
ウ  ぽぽんぽん尻に頭に天瓜粉      む
    恋の時間は眉引いてより      篠
   元カノの筆跡なぜか捨てかねて    槇
    曲がりしままで錆る金釘      志
     見習にわからぬ閻魔とふ符牒     犬
    かこち顔なる本庁のデカ      む
   草臥れしスーツの肩に月冴ゆる    篠
    ウールマークのタグに初雪     槇
   富士山頂郵便局より葉書来て     志
    単騎千里をゆきて還らず      犬
   釈迦牟尼の手指に落つる花の塵    む
    亀鳴くといふ宵の石窟       篠
ナオ 遠足にチョコをまとつた柿の種    槇
    越山会はやがて解散        志
   孤児の唄は流れてふるさとへ     犬
    並びやうなき小さき葬列      む
   ラーメンの具に一家言ある男     篠
    鳴門の浜を染める朝焼       槇
     くわくらんの目玉くるくるくるくると  志
    ふたり戸惑ふラブホのベッド    犬
   すぐ慣れて性具を試す女学生     む
    露文マニュアル易々と読み     篠
   罪と罰まみれの俺を照らす月     槇
    高利貸しから貰ふ新米       志
ナウ 夕暮れに焼きし秋刀魚も痩せてをり  犬
    喫煙所ある橋の西端        む
   いちだんと城塞都市の空青き     篠
    死なず漂ふ宇宙ゴミたち      槇
   鉄鉢の中に残りし花の冷       志
    路傍に待てばてふてふの来る    篠

起首:2014年10月23日(木)11時02分14秒
満尾:2014年12月 7日(日)18時25分27秒
 

蜻蛉の巻

 投稿者:  投稿日:2014年12月 9日(火)10時28分0秒
  七吟歌仙「蜻蛉の巻」
  苑を+ぽぽな+志+篠+槇+令+なむ

   不忍池に生まれて蜻蛉かな    苑を
    釣舟草の首傾ぐころ      なむ
   ほろ酔ひの輩に月の加はりて  ぽぽな
        めんない千鳥の鬼さんこちら   志
   一族に激情の血の脈々と      篠
    天下騒がす無邪気な藪蚊     槇
ウ  お喋りと笑ひで崩すかき氷     令
    膝の触れあふカウンター席    を
   万札を靴下止めにたばさみて    む
    スクープ狙ふシャッターの音   な
      御巣鷹の山荒涼と闇の中      志
    道案内を狸に乞へば       篠
   冴えて月入れ歯に沁みる家康公   槇
    雪はげしきに重き荷を棄つ    令
   まつすぐに紙飛行機のよく飛んで  を
    ギムナジウムの選挙速報     む
   やはらかな約束をする花の下    な
        仄かに長閑饅頭の湯気      志
ナオ 友だちの里の茶摘みに誘はれて   篠
    新幹線はこだまに限る      槇
   天地を七対三に水平線       令
    ゴジラは薄く眼をあける     を
   白地着てこの世の外にゐるつもり  む
    香水の名はPOISONといふ     な
      小瓶には思慕の彩なる星の砂        志
    岡惚れしては港で泣いて     篠
   だめんずを渡り歩いて一服す    槇
    ひとり焼肉ひとりカラオケ    令
   月光も届かず閉所恐怖症      を
    倫敦塔へ無限黄落        む
ナウ 鐘の音の川超えてゆく秋日和        な
        駄菓子屋横丁いまも残りて        志
   なけなしのコインで明日を占へば  篠
    天気予報は大雨を告ぐ      槇
   花降るは青き光にまみれつつ    令
    海市に消ゆる白き帆船           な

起首:2014年 8月31日(日)12時53分11秒
満尾:2014年10月14日(火)09時45分37秒
 

日傘の巻

 投稿者:  投稿日:2014年12月 9日(火)10時23分46秒
  五吟歌仙「日傘の巻」
  篠+苑を+志+槇+なむ

   ゆらゆらと田園をゆく日傘かな   篠
    函にゴディバのアイスクリーム なむ
   宮廷の華のワルツに魅せられて  苑を
    偽有栖川今は何処に       志
   丹念に義眼を洗ふ夕月夜      槇
    虫籠吊して角の道具屋      篠
ウ  岡持ちに新蕎麦積んで走るらむ   む
     落とし穴かも知れぬ逢ひ引き   を
   付文にきうかなづかひまた一つ   志
    ボスニアヘルツェゴビナ語の辞書 槇
   国境の朝はラジオの声で明け    篠
    ホンダラ行進曲が大好き     む
   猫どもの集まつてくる寒月下    を
    苦沙弥先生熱燗に酔ふ      志
   だつてそれただの巷の噂だろ    槇
    観光バスで巡る霊場       篠
   合掌の姿へと花散り積もり     む
    かひやぐらには三角野郎     を
ナオ  関数に苦しめられし春の夢          志
    Xデーが近づくそぞろ      槇
   頭目は昼行燈と呼ばれゐて     篠
    鬼さんこちら手の鳴る方へ    む
      子供らの影を並べる夏の河     を
        安徳陵に青葉燦燦                志
   豚骨と魚介の出汁を矜持とし    槇
    淑女のやうで妖女なる君     篠
   その午後の股間に残るキスマーク  む
    皮膚科べとりと軟膏を塗る    を
      押し出しで決めて見上げる夜半の月  志
        自力優勝消えて秋風              槇
ナウ うたた寝に僧都の次の音を待ち   篠
    尿をこらへてをる河内山     む
   歌舞伎座を了へて築地の小料理屋  を
        場外乱闘全て八百長              志
   なんとなく仲直りして花月夜    槇
    いつもの海をつばくらめ来る   を

起首:2014年 6月 3日(火)13時41分34秒
満尾:2014年 8月 1日(金)13時20分42秒
 

土佐みづきの巻

 投稿者:  投稿日:2014年12月 9日(火)10時22分8秒
  五吟歌仙「土佐みづきの巻」
  令+まこと+ヒッピィ+月犬+なむ

   土佐みづき雨音あまた集めけり     令
     干潟に朽ちて残る舟杭       なむ
   野遊びの約束かはし別れきて    まこと
    稲荷山には三つの燈火      ヒッピィ
   月の下戒厳令の帝都あり        月犬
       香具師の無聊に古酒の瓶       令
ウ  色変へぬ松に生まれて阿弥の裔     む
    結界出でて逢瀬のはしご       と
   二丁目で恋人を待つハイヒール     ピ
    つかず離れず特高の影        犬
   この国にそんな時代はもう要らぬ    令
    いつか話せる日が来るわとも     む
   寒月下襟立て夜会へと急ぐ       と
    冬至カボチャに鼠の歯形       ピ
   母からの荷物のなかに征露丸      犬
    ラッパカッパとラップクラップ    令
   二十億光年に花散る孤独        む
    二度寝三度寝朝寝の夢か       と
ナオ 落第の兄と同級生となり        ピ
        波打ち際に消える足跡        犬
   木の下でサンドイッチと珈琲と     令
    模写専門の画人集団         む
   直江津の夕焼を背にフラダンス     と
    沖のボートで手話炎上す       ピ
   明日こそは保険見直し本舗へと     犬
    悦楽の果て偽装の事故へ       令
   物証として紫のTバック        む
    主演マツコの捨て絵看板       と
   月光を浴びてゴジラのあらはるる    ピ
    颱風過ぎて美しき朝           犬
ナウ 抽斗の聖書にはさむ赤い羽       令
    前世は闇のコンシェルジュなり    む
   サイレンの音消えてゆく遊園地     と
    夕餉の町のあの日へ帰ろ       ピ
   さかづきに花びら浮かべ呑み干せば   犬
    値千金春は宵なり              と

起首:2014年 4月 7日(月)10時03分38秒
満尾:2014年 8月16日(土)20時05分13秒
 

花魁草の巻

 投稿者:  投稿日:2014年12月 9日(火)10時16分5秒
  五吟歌仙「花魁草の巻」
  志+槇+篠+苑を+なむ

   尼寺の花魁草のあはれかな         志
    片肌脱の石屋瓦屋        なむ
   タモリ式入浴法で潤ひて       槇
    四カ国語の混じる空耳       篠
   今宵また絵のない絵本へと月が   苑を
      アンデルセンの挫折冷まじ         志
ウ  秋陰の靴屋に靴の死んだふり     む
    すね毛を剃つてペディキア塗つて  槇
   逢瀬にはいつも決まつて海を見る   篠
    はたと気づけば嵌め殺し窓     を
      アトリエの椅子一脚にがたが来て      志
        伊研の箱の散らばるばかり     む
      ストーブにやかんとパンと月が乗り  槇
    神の言葉を説く冬田道       篠
   赤尾敏をらねば数寄屋橋淋し     を
        竜王戦に右四間飛車                志
      読み耽る彼我の落花の譜のなかば   む
    うららの丘に吹奏楽部       槇
ナオ 春風に遷都の噂まぎれ来て      篠
    万能細胞あるやなしやと      を
      何にでも醤油をかけて食ふ男          志
    おらが屋号は縛に亀甲       む
   ダービーに快楽亭の背が見えて    槇
    顔の長さを言ひ合ふ端居      篠
      欠点はどんなことでも父親似     を
        したいが出来ぬ卓袱台返し          志
      後厄のアイドルと食むオムライス   む
    威風堂々ミニスカートで      槇
   草原にバオバブの木と満月と     篠
    あら柚子坊といふ不思議ちやん      を
ナウ  不知火のわが心にも移ろひて          志
    果ては筑紫のくにのみやつこ    む
   二軍落ちしてそこからの元エース    槇
    骨の形を医者に褒められ      篠
   有頂天とは舞ひ狂ふ花ふぶき     を
    朧の酒もバンドネオンも      槇

起首:2014年 3月31日(月)12時53分33秒
満尾:2014年 5月24日(土)21時53分53秒
 

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