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(無題)

 投稿者:かまちゃん  投稿日:2020年 1月 9日(木)21時32分2秒
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  たっちゃん、おつかれ~~~^^

甑島鹿島の釣行記をアップします。

PCを変えてから更新ができなくなっておりました。

とりあえずこの掲示板でお知らせします^^:

2020年新春初釣り~鹿児島県甑島鹿島釣行記~

「今年の冬はぬっかねえ(あたたかいねえ)。」

人に会う度に、今年がかなりの暖冬であることを確認し合うほど、確かに、今年の冬の前半は雪も降らず雨が多かった。「出会いは風の中♪~」小泉今日子ちゃんの「木枯らしに抱かれて」の歌が頭をよぎる。木枯らしが恋しくなっている自分に突っ込みを入れたくなる。

いや、歌を歌っている場合ではないかもしれない。農作物の生育への影響や、雪が少ないことからくる水不足の影響を心配しなくてはならない。かくいう自分も学校で育てているチューリップの生育が心配だ。4月の入学式に丁度よい時期に花の開花が成就できるのであろうか。

寒さが厳しいからこそ、しっかり育つ植物だっているし、病気を防ぐことにもつながる。冬が寒いという当たり前のことが今年も実現してほしいと願う人がたくさんいることを忘れてはいけない。

そんな中、天気予報とにらめっこをしながら、早く寒波が来てほしいと、切に願うこの季節限定の特殊人種がいる。彼らは、かつて一世を風靡したK国ドラマ「冬のソナタ」での名台詞「冬が終わらなければいいのに。」のように、冬になると異様なテンションで毎日の生活を営んでいる男たちである。

「この寒いのに」と家族に揶揄されながらも磯に立ち、木枯らしの中震える手で仕掛けを作り、睡眠不足で帰りの渡船でちょっとしたことでも笑いが止まらなくなるオチャラケな男たち。しかし、植物のように厳しい寒さにさらされても決して成長することはないという残念な種族。

彼らは、ご存じクロ釣り師である。クロ釣り師こそこの暖冬を苦々しく思っている人間はいない。なんたって、対象魚であるクロ(メジナ)は、冬期に水温が下がってくることで渡りグロとなって瀬に付き、もとからいる地グロとともに、磯を賑やかにし、クロ釣り師の触手を動かすのだ。

かく言う自分もクロ釣り師の1人。釣り納めで楽しい思いをした後、その勢いで2020年を占う初釣りも楽しい釣りにしたいと願っていた。師匠uenoさんと一緒に甑島鹿島にその命運を託すことにしていた。後は、天気あるのみ。木枯らしを待ち望みながらも凪を願うという矛盾は棚上げである。

「kamataさん、出るげな。2日間とも西磯に行けるかもな。12時45分に家に来て」

釣り納め、初釣り両方成就は初めてだ。2日連続の凪予報に、宝くじにでも当たったような気持ちで家を出た。

九州自動車道を南へ下り、横川ICで一般道へ。川内を経由して串木野港に着いたのが、出港の1時間前。

港について、その車の数に驚いた。日曜日とはいえ、ほぼ船は満員御礼であることを認識。

「こら多かバイ」

Uenoさんも驚きのため息を。満員になるのも当然。磯釣り師のだれもが、初釣りをと意気込んでいる時期だ。暗闇の中に外に出ている釣り人は確認できなかったが、車の中には燃えたぎる闘志を体中にため込んでいる釣り人がスタンバイ。

そして、1人2人と釣り人は車から外に出て、戦闘服に着替え始めた。そのタイミングで軽トラックに乗った船長が登場。それを合図に、釣り人が次々に出てきて、あっという間に港は釣り人で沸き返った。この瞬間、あの渋谷の交差点よりもボクは勢いを感じた。

ぶるん、ぶるん。

エンジンが始動。釣り人の動きが静から動に変わった。初めて会った釣り人同士が荷物を共同で積み込む。本日の釣り人は満員御礼の27名。期待で胸が張り裂けそうになりつつ、落ち着いて乗船名簿記入。

「西磯に乗らるっどか(乗れるだろうか)。波は大丈夫の予報やったバッテン。」

Uenoさんが、期待を込めてこうつぶやいたが、

「昨日は、時化てですね。3人くらいをエガ瀬(西磯で奥まった場所にある)に乗せたんですけど、波が高くて大変でした。今日は、東磯です。」

このように、船長がまくしたてる。多くの釣り人は、期待の西磯を断念させられた。しかたない。自分たちは自然に遊ばせてもらっている身。自然の摂理に従おう。

午前3時55分、釣り人の熱気は、船は定刻より5分早く出港させた。港を出ると対馬暖流が流れる東シナ海に船は飛び出し、漆黒の闇の中を滑っていった。一睡もせずに横になると、いつの間にか眠っていて気が付くとエンジンがスローになっていた。

「弁慶かな。もうすぐバイ。」

Uenoさんが渡礁準備を始める。実は、出港直前に船長から、

「定置奥はどうですか。」

と、渡礁場所の内示を受けていた。

「おら、ミタレはすかんたいなあ。2匹ぐらいしか釣ってないから。」

解説しておこう(アニメ番組「タイムボカン」風に)。東磯は、西磯に比べて北西風の季節風を避けられるため、釣り人の渡礁の確率が高いので、魚がすれているし数も西磯に劣ると言われている。その中で、uenoさんは特に、ミタレ、小ミタレ、ミタレ平瀬などのミタレ周辺で撃沈を繰り返していたので、ミタレ周辺の磯にかなりの苦手意識をもっている。だから、船長からの提案に2つ返事だった。Uenoさんの息子さんも磯釣り師だが、定置奥でよい思いをしたらしく、その話を聞いていたuenoさんは、定置奥にかなりのプラスイメージをもっていた。

船は、弁慶、熊ヶ瀬、熊ヶ瀬の平瀬と渡礁を済ませ、

「uenoさん」

という船長の声で、いよいよ自分たちの番が来たことを知る。

真っ暗闇の中で船は高速で進んでいる。荷物を船首部分に集めて渡礁準備のために姿勢を低くしてそのときを待つ。サーチライトを当てたその先に、巨大な巌が突如として出現。ごつごつした圧倒的な偶像に船のホースヘッドが接岸。ワンバウンドしてさらに上の段に着き、船は巌とがっぷり四つになった。

「気をつけて」

ポーターさんの一言で、岩に飛び移り荷物を受け取る。サーチライトを受けながら、船長のアドバイスを待った。

「底の船着けと、裏もいいですよ。」

こう言い残して、船は次への渡礁場所へ反転していった。

「西磯には行かれんやったバッテン。ミタレじゃなくてよかったバイ。」

Uenoさんのこの一言が、定置奥へ渡礁した選択肢をこのように評価した。私たちはすかさず磯の全体像をつかむ作業に入った。船長の勧める船着けは、よさそうだが、2人にしては狭い感じだ。裏のポイントを物色すると、釣り座がかなり低いことが心配だが、干潮が9時30分頃と、波がどんどん落ち着いてくる予報を考えると、釣りをすることは可能と考えた。

「おいは、ここにすっでえ(ここにするからね)。」

Uenoさんは早くも釣り座を選定。自分も決めなくてはと観察するが、風向きからして高い巌を背中にして風を回避できる裏の釣り座がベストな選択だと考えた。幸いuenoさんの釣り座の横が空いていたので、その場所にバッカンを置いた。

Uenoさんは早くも仕掛け作りに入っていた。自分もあわててまだ夜明け前の暗い中、仕掛け作りを始めた。竿はがま磯アテンダー1.2号。2号道糸にハリス1.75号を2ヒロ取った。ウキはジャイロ0α号のゼロスルスル仕掛け。針は甑島で最も実績が高い4号を結んだ。

朝が来た。水平線がオレンジ色に染まり、紫色の水面との対比が美しい。釣り座で撒き餌をしていると、横ではuenoさんが早くも釣り始めていた。潮は沖に向かって左へとゆっくり動いている。目印もゆっくりと入っていく。仕掛けの入りからも悪くない潮だ。

「よっしゃあ、バラしたあ」

Uenoさんが隣で早くも魚とのコンタクトがあった模様。こっちも負けておられない。竿を振りかぶり、ウキが紫紺の海に突き刺さる。撒き餌を3杯ウキの周りにかぶせて様子を見る。しばらくすると、黄色の目印が明らかに意図的と思われる速さで消し込んでいく。その動きに連動する形でウキがゆらゆらと沈み始めた。間違いないクロのアタリだ。

道糸が糸電話状態になりやすいように操作しながら、やつが走るのを待つ。ウキが紫紺の海中に沈みきりもう見えなくなるのではというタイミングで道糸がピンと張った。反射的に竿を立てる。竿を見上げると、アテンダーが芸術的な曲がりを見せている。手元に心地よい手応えを感じる。この引きからして、本命のクロを確信。

数度の締め込みを竿の弾力でため、慌てず浮かせにかかる。偏光グラスの向こうに、尻尾の白い岩礁色の魚が浮いてきた。

ばしゃ、ばしゃと水面を割った。クロだ、クロ。慎重に玉網をかけて手元に引き寄せる。Uenoさん、お先に釣らせていただきましたよ。32cmほどの最近の甑島に一番多いサイズだ。魚の体色から居付きの魚だろう。時計をみると午前7時半。

「おっ、釣れたバイな。」

2人とも第1投でアタリがあったということは、今日は幸先いいスタートが切れたと言えるか。これは入れ食いになるかもしれないと、更なる獲物を狙って釣りを続けるが、ここから難しい釣りの開幕となった。

Uenoさんは、どうもオヤビッチャやイスズミなどの餌盗りばかり釣り始めた。こちらも、ウキがゆっくりと消し込み、ウキが見えなくなるまで待っていると、ズドン、ブチッというパターンが続いた。おそらくイスズミやブダイなどのゲテモノ系のあたりだろう。また、会心の当たりと思いきや、浮いてきたのは、1.5kgくらいのイスズミだった。潮が変わったのか、さっきまでのクロのアタリは途絶え、餌盗りが釣り座を取り囲むようになった。魚の活性は高い。水温も生暖かったではないか。潮が変わればまた釣れるはずだ。

潮が速くなってきたので、ガン玉G6を道糸に付けて、仕掛けの馴染みをよくする。すると、再びクロのアタリらしいスピードでウキが消し込み始めた。もどかしい動きだが、仕掛けは確実に底へと遊動されていく。間違いない、これはアタリだ。早めにあわせを入れると、ギューンと竿先に心地よいトルクがかかった。

獲物は、左へ一直線。左に浅い根があるようだ。さっき、魚を喰わせたが、左の根に入られ仕掛けを切られてしまった。根に入られてはたまらないとゴリ巻きする。あきらめた魚は、今度は手前に突っ込み始めた。アテンダーの粘りは、あっさりとクロに水面を割らせた。玉網をかけてクロを手にする。これで2枚目。Uenoさんもこのタイミングで魚を釣った。時計を見ると、午前8時半。

「東磯やけん、期待しとらんやったバッテン。ボウズは免れたバイ。」

さあ、これからもっとよくなればいいが。左に行っていた潮は沖へまっすぐ進み始めた。これはチャンスかも。しかし、クロは餌をついばむものの、あまがみして時には放したりと、釣り人を悩ませる。

「喰い渋っとるね。」

Uenoさんの言うとおりだ。食い渋り対策として、まずハリスを1.5号に落とすことにした。針を落とす選択肢もあると思うが、3号では魚を喰わせられてもハリ外れが多くなるのであまり使いたくない。結果はすぐに出た。ややサイズアップした魚を手にする。これで3枚目。この後、干潮の潮止まりを迎えた。

「おいは、向こうで(船着け)釣ってくる。上げ潮が来るはずやけん」

Uenoさんは、食い渋りで苦戦する中で、釣り座を変える勝負に出た。自分は、上げ潮の状況を見極めるためにもこの釣り座にとどまることにした。

陽は高くなり、クロ釣りには厳しい時間帯が近づいた。

「東磯は、午前10時までが勝負バイ。その後は釣れた試しのなかもん。」

Uenoさんが、これまでの苦い経験からこれからの釣りがかなり可能性の低いものになることを予言した。確かに、自分も鹿島東磯で陽が高くなると、警戒心の強いクロの食いが止まる経験を何度も味わっていた。

なんとかしなくては。おにぎりをぱくつきながら、次の作戦を考えていた。ふと、uenoさんとその息子さんと一緒に釣りをした年末の場面を思い出した。そう言えば、魚が食い渋っているとき、環付きウキが効果あるという話を聞いたっけ。その話を頼りに釣具店で環付きウキを手に入れていた。これを使わない手はない。

何かを変えると、何かが動き出す。何もしなければ何も始まらない。環付きウキは、潮を捉え目印の動きも申し分ない。再びやややる気のあるウキの消し込みに、唇をなめながら相手が走るのを待つ。道糸に変化が、一気に勝負をかける。ギュイーンと魚からの明確な応答が。これで4枚目。時計を見ると10時半を回っていた。

チャンス到来だ。この後、6連続で魚をかけて、4尾玉網をかけることに成功。これで8枚目。だんだん、サイズアップしてくる。下げ潮のポイントだと思っていたこの釣り座は、下げ潮に変わった途端に魚の食いを立たせた。

「すごかな。環付きウキは」

船着けの釣り座でなんの進展もなかったuenoさんが戻ってきて、環付きウキの威力に感嘆。
その後、9枚目40cm、10枚目は42cmとツ抜けを達成し、12時半を確認して竿をたたむことにした。Uenoさんは、ウキを00号にして、3枚のクロを追加した。

迎えに来た船に乗り込み、魚を船においていたクーラーに移し、鹿島港を目指した。

「民宿の者が迎えに来るまで、そこで釣っておいてください。」

これまでなら、そのまま夕まずめまで磯で釣りをさせてもらえたが、今回は、我々を迎えに来る漁船をチャーターできなかったとのこと。しかたなく、我々はフェリーが接岸したり出発したりする光景を見ながら、成果は皆無に近い釣りで時間を潰していた。

「もう、やめよい。もう釣れんバイ。」

短気なuenoさんは、竿をたたみ始めた。宿の息子さんに車で民宿まで送ってもらい、早めの宿到着となった。宿では息子さんとの釣り談義が面白かった。シブダイを3匹釣って漁港に出したらキロ16000円もしたとのこと。仕掛けを見せてもらったが、延縄漁で使うようなタルメ針を50本つなげた仕掛けだった。それを夜の間にポイントにおいて釣るのだそうだ。

餌はキビナゴ。我々も夏には硫黄島の夜釣りでサンマやイスズミの切り身でシブダイを釣る話をぶっ込み例のごとく釣り談義となった。島んちゅの純朴な暖かい青年との談笑で力をもらった気がした。

着替えを済ませ、風呂に入り、釣りの疲れを癒やした。釣り納めと同じく、uenoさんと今回の釣りを振り返りながら心のこもった夕食に舌鼓。暖かい布団にくるまって魚の夢を見ながら就寝。疲れからか10時間も寝てしまった。

朝6時半に起床。朝食をいただき、船が迎えに来る漁協前に釣り道具をまとめた。午前7時半、船が迎えに来た。

「uenoさん、ダンママでいいですか。釣れてましたよ」

今日は、うれしいことに西磯に行けるようだ。だが、西磯も瀬ムラが見られ、渡礁は釣れている場所を中心とした展開に。朝焼けが美しい。これから何かいいことが始まる期待で胸が一杯だ。

船が藺牟田水道に入る。今年中に開通予定の中甑島と下甑島をつなぐ橋がつながっていることを確認。甑島の自然と人間の英知を集めた人工物とのアウフヘーベンは、これからの人類の未来予想図を描いているようだった。

船は、下甑島最北端にある鳥の巣という磯を横切っている。今回の舞台となる「ダンママ」は、その先の奥まった地磯から突き出した磯で、抜群に足場がよい。足下から深くなっているので魚とのやりとりもストレスフルにできる。今回で3回目になるこのポイントで、新春2回目の釣りが始まった。

「船付けのところで釣ってください。裏のところも釣れますよ」

船長のアドバイスを聞いて、仕掛け作りに入った。2人とも昨日とほぼ同じ仕掛けである。仕掛けは同じだが、自然違った。今日は強風が課題だ。

釣りで何が大敵かと言えば、強風である。風は、道糸を引っ張り、風波でウキを引っ張り、軽い仕掛けで攻める釣り人を困惑させる。これに対する対策と言えば、ウキを沈めるか、2Bなどのウキを使った重たい仕掛けにするかぐらいだ。

まず、風が一瞬やんだ時期をタイミング良く利用して、uenoさんが1匹目のクロをゲット。次にハリスにガン玉を足して、仕掛けの馴染みをスムーズにして1尾追加。こちらは、何度かアタリを捉えるもハリ外れやぶち切られるなど、痛い失敗が響き魚を手にできずにいた。

その後、uenoさんは仕掛けが入らんと3Bの半遊動。これが大当たりで1匹追加。私と言えば、午前9時半頃、ようやく魚を浮かせたが青ブーでがっくり。焦りが体中を支配。

昨日のよいイメージが消えかかった午前9時45分頃、ようやく魚を手にする。35cm。これでボウズ脱出。ほっとする。風がやや収まったタイミングで得たうれしい釣果だ。

風がようやく収まってきた。その収まった時間帯がチャンスになる。案の定、ウキがゆっくりシモリ、魚のハシリを待つ状態に。走った。道糸に変化が現れる。反射的に竿を立てて応戦。ところがだ。おかしい。いくらリールを巻こうとしても巻けないのだ。無理をしたら竿先を折ってしまう。Uenoさんに竿先がどうなっているか見てもらった。

「kamataさん、竿先に道糸がからまっとるバイ。巻くのは無理バイ。」

どうやら、仕掛けを投げる瞬間、たるんだ道糸と竿の間に仕掛けがくぐってしまい、仕掛けの巻き取りが不可能な状態になっていたようだ。

何とかトラブルを回避したいが、仕掛けに食いついた魚も気になる。釣り座が広いダンママであったのは好都合だった。竿を寝かせて、竿先のトラブルを急いで改修して、道糸を握った。道糸には魚からの応答が続いていた。まだ、魚が付いているぞ。

テンションがなくなったので、かえって戸惑った魚が道糸を張ると瀬際に突っ込みだした。このダンママは、張り出し根がほとんどなく、魚が仕掛けを切る術がない。ボクは、だんだん道糸を抜き上げ、魚との距離を詰める。そして、なんとクロ釣りで始めたの体験である手釣りで36cmほどのクロを抜き上げたのだった。

この後は、風が収まってきたものの、それと比例する形で魚からの反応も消えた。

「もう、釣れんバイ。おら、もうやめた。」

Uenoさんは、納竿1時間半前に竿をたたみ始めた。あきらめずに釣り続けたが、あまりの反応のなさに、回収30分前に竿をたたむことにした。

最後の2時間は、ハリスを1.2号、針を2号に落とす以外の方法をやってみたものの、魚からの反応は皆無だった。クロ釣りの面白さを堪能すると同時に、その難しさも思い知らされることになった。

回収の船に乗り込んだ。平日だというのに満員御礼の船の中で、暖冬の影響が魚の食い渋りとなって現われていることを確認した。サイヤマなどコンスタントに釣れているポイント以外は厳しい結果となったようだ。

串木野港に帰って、荷物上げを行った。クーラーは全体的に軽かった。

「甑はまだ本格シーズンにはなっていません。」

と、船長。暖冬の影響でクロの乗っ込みも遅れているようだ。後で、魚を捌いてみたが、白子や卵はまだ小さいままだった。

暖冬で渡りグロはまだ磯に付いていない。釣りの腕はさておき、魚の食い渋りを暖冬のせいにしている自分に苦笑しながらも、渡りグロが本格的に瀬に付く時期に再び磯に立ちたいと思うのだった。

「今年の冬はぬっかなあ」という言葉は、「今年のクロを食い渋っているなあ」という言葉と同意であることを確認して、瀬渡し船の渡船基地を後にするのであった。
 
 
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